書店員まっさんの備忘録📚✍

読書や本が大好きです!読書のレビューをメインに投稿していきます。

西加奈子さんの想いが詰まった1冊、『i』を読んで。

新型コロナウィルスがパンデミックを引き起こし、日本では大型イベントが次々と中止もしくは延期に追い込まれ、経営破綻した企業や個人経営店も出てきて、この先どうなるのやら…という感じですね(๑-﹏-๑)

(知識人の中には、細菌兵器による人災という見解をする方もいるそうです(゚д゚lll))

 

予防や対策の一環として、冷たい飲み物は控えて、熱い白湯やカテキン入りのお茶等を飲むといいそうです。(医療機関の方のアドバイスです)

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回紹介する本はこちら↓

 

 

 

f:id:massan1114:20200227003342j:image

西加奈子さんの『i』

https://www.amazon.co.jp/dp/4591153096/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_N-OvEbM2AMTA3

 

 

 

初めて西加奈子さんの本を読んだのですが、

(というか、普段ほとんど小説を読まないんですよね…笑)

 

 


一言で感想を言うなら、

「ストーリー性云々ではなく、登場人物に重きを置いてて、そこが読み応えある!」

ということ。

 

 

 

ネタバレになりますので、起承転結は言えませんが、簡単にあらすじを紹介すると、

 

 

 

主人公のアイという少女はシリア出身で、幼い頃にダニエルと綾子という優しい夫婦の養子となり、恵まれた環境で育つが、この世界には恵まれない子も居ることを知るり、自身の環境に罪の意識を憶える。

 

 

 

やがて高校生となったアイは、ミナという無二の親友と出会い、その出会いが彼女を大きく揺るがすことになり…

 

 

 

という感じ。(ほんとざっくり笑)

 

 

 

そこまで大きなストーリーの変化は無く、どちらかと言えば、アイや、ミナ等周辺の人物達の心情や関わりを描き出した本、といった印象を受けました。

 

 

 

小説の中で、印象的だった言葉が、

 

 

 

この世界にアイは存在しません

 

 

 

という台詞。

 

 

 

幾度となく出てくる言葉なんですが、

ここでのアイが「愛」か「I」のいずれを指すのか、はっきりしないのが想像力を掻き立てられるなぁ~と感じました。

 

 

 

この世界にアイは存在しない。

 

 

 

僕が思ったのは、アイ自身のことを指してるのでは?ということ。

 

 

 

アイは別に不幸だと感じてるわけではなく、むしろ、心優しい両親に養子として迎え入れられたことや、ミナという無二の親友に出会えたことを幸せと感じている。

 

 

 

でも、祖国シリアのことや、災害や紛争などの犠牲者のことを考えて辛さを感じると、「恵まれてる自分が、悲しんでいいのだろうか?、苦しんでいいのだろうか?」と思ってしまい、その事でずっと悩んでたのかなぁと感じました。

 

 

 

 

恵まれた環境に居るけど、恵まれない人たちも大勢居る世界で、自分が選ばれて良かったのだろうか?

 

 

そう感じたアイは、苦しみや心の中の叫びを抱えつつも、ずっと自分を否定し続けてきたけど、親友ミナとの出会いや、ユウという男性との出会いが、彼女を少しずつ変えていく。

 

 

 

決してピュアな話では無いけど、その、アイを取り巻くヒューマンドラマが美しいなぁと、読んでて感じました(*˘︶˘*)✨✨✨

 

 

 

また、アイだけじゃなくて、一見キラキラしてるイメージのミナも、色々抱えてて、そこもまた読み応えがありました!

(ちなみに、僕の中でのミナは、橋本愛さんが演じてるイメージでした笑)

 

 

 

内容は濃いのに、スラスラ~と読める1冊なので、

 

 

 

みなさんぜひ、読んでみてください!( *˙ω˙*)و グッ!

 

 

ーENDー