本能寺の変について調べたい方にオススメ!『影の宰相 小早川隆景』をレビュー!
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米山哉也さんの『影の宰相 小早川隆景』(南々社、2019)
小早川隆景は戦国時代の武将で、三矢の訓(さんしのおしえ)で有名な毛利元就の三男です。
主に内政面や外交で活躍し、後に豊臣政権の政治リーダーである五大老の一人となる人物です。
戦では主に水軍を指揮した戦いに長け、
毛利家が織田信長と戦った、木津川口の戦いなど、
数々の戦で活躍した名将でもあります。
その小早川隆景が、なんと本能寺の変に深く関与してたというのでびっくり(゚д゚lll)
僕も、まさか小早川隆景が本能寺の変に深く関わってるとは思わなかったので、興味を持ち購入。
著者の米山さんはどうやら歴史学者ではないようですが、本書を執筆するに当たってかなり調査しているらしく、ゆかりの地や、小早川隆景に関する史料、本能寺の変に関する史料など詳細に調べてあるので、読んでてなるほど!信憑性あるなぁと感じました。
ただ、所々断定的な言い方があるので、その辺は歴史学者では無い人が随分強気だなぁと言う感じもありますが…
でも、歴史好きな僕でもなるほど!と思うことが多く全体的に満足な本でした!
ぜひ手に取って読んで頂きたいので、あまり多くは語りませんが(笑)、僕の中でなるほど!と思ったことを数点あげてみました。
・室町幕府最後の将軍足利義昭は、幕府滅亡の後大人しくしていたのではなく、毛利家の領地である鞆(ともえ・広島県)に退去すると、事実上「鞆幕府」として諸大名に命令を下し、信長を苦しめていたこと。
・本能寺の変の際、小早川隆景が、毛利攻めの指揮官羽柴秀吉秘密裏に和睦の段取りを進めていたこと。
→なぜ、秘密裏に和睦を進めなければならなかったのか、それは毛利家の存亡や秀吉の行く末に関わることだったから。
・小早川隆景は、秀吉の親族である秀秋を、毛利宗家では無く小早川家に養子として迎えるが、そこには、自分の小早川家を犠牲にしてでも毛利宗家を守ろうとした、隆景の知られざる秀吉との戦いがあったこと。
(小早川家のその後の行く末を見ると、隆景としては本当に大きな決断だったのかなぁと後世の僕が言うのもなんですが思いました)
・そして、小早川隆景が天下の政に深く関わらないように、上手く戦国の世を処世できたのには、父元就の遺言が関わっていた。
etc.....
隆景の生涯について、著者が調べ歩いたことを基に、様々な考察がなされており、戦国時代を扱った読物として、とても面白い本でした!
戦国好きな方、歴史好きな方はぜひ読んでみてください!!
では!(・ω・)ノシ
ーENDー